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社長コラム
2023.04.24
木の部屋

環境・日本伝統文化を大切にしている

岐阜市の設計事務所エコプランです。

 平成13年頃、全国的に小学校で空き教室ができはじめてきたことと、木材の利用が教育の場に利用させる事が良いと言うことで、空き教室の「木の部屋」として各学校に作られ始めました。

 丁度その頃、岐阜県北方町北方小学校の大規模改修の計画がありトイレ、教室、外壁等の改修工事の計画設計をすることになり、この小学校でも、空き教室の「木の部屋」をつくることになりました。

 岐阜近郊の小学校の空き教室の「木の部屋」の見学・調査をしてきて感じたのは、ほとんどの学校の空き教室の「木の部屋」は床、壁、天井と「木」を内壁材として張った「木の箱」の部屋となっていたこと。

こうした全てが木張りとなった部屋も悪くはないですが、目の休めるところがなくなってしまうように感じるものですし、木張りの部屋の空間があるだけのものでした。

 今回、岐阜県北方町北方小学校の大規模改修の計画の一貫として、空き教室の「木の部屋」をつくるにあたって、日本の伝統文化を入れた木の部屋をテーマとしてつくることにしました。

  • 「木の部屋」は天井・床は木を張り、壁には漆喰調の白の壁を入れ、空間には低い舞台等設置し、窓、廊下等に木製建具の格子戸を設け、木の部屋で皆と楽しめる、優しい木の空間として多目的空間にししました。
  • 「木の部屋」は日本建築として一番大切な「和室」であると思います。現在では「和室」、畳のない住宅や、畳の部屋でも和室ではない等の建物が多く作られています。

 このことは「日本文化」の危機、喪失に繋がると思っております。日本文化の原点は「和室」にあります。「和室空間」はこれまでの、日本人の共通空間把握でも有りました。この共通空間把握すら薄らいできているように感じております。

 そのような危機感を感じていたこともあり、この空き教室の「木の部屋」に和室を併設して教育の場に設置し、各家庭になくなった「和室」空間を設置する事で子供のころの記憶の中にこうした空間体験の場を設置しておきたいとの思いで設置計画しました。

 

 14年後、この新聞記事を見たとき、大変うれしく思いました。

この空間を茶道体験で使っていただけていることと外国人を交えての文化交流の場として使って頂けていることはよりこの空間の利用価値があったと感じております。

 各日本の住宅になくなった「和室」空間を、こうした場に設置する事が日本文化継承に多少なり繋がるのではないかと考えております。

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